メタルバンドなどメタル系のロゴ作成におけるテクニック

ヘヴィメタルやデスメタルなど、種類はいくつかありますがメタル系バンドのイメージと言えば黒、赤、死ではないでしょうか。

そのため、メタルバンドのロゴデザインは大抵そういった方向のものになります。こういったものは最初に流行らせた人を憧れて後続が始めるので、どんどんその趣向が強くなっていきます。

メタルバンドのロゴデザインアイデアを、ここで挙げてみます。

死のイメージから血やドクロが使われる

メタル系は元々が音楽業界における異端児であるため、その中で奇をてらうにも限界があり、メタルバンドの音楽も見た目もロゴも似た感じになっています。派手な見た目でシャウトする歌声を披露しておきながら、ロゴがポップなものであっては締まりません。

最も良く見掛けるデザインは、アルファベットの端をとがらせたデザインではないでしょうか。血が滴るようなイメージで、何かが垂れているとそれっぽさが増します。色合いとしては全体は黒なのですが、黒は背景に使われることが多いので逆に見映えを考えてアーティスト名は白字なことが多いかもしれません。

そしてそこに使われるパーツとしては、やはりドクロが多いでしょう。デスメタルなどは死をイメージしていますし、死と言えばドクロです。と言うより、死のイメージを他の何かで表現すると直接的になりすぎてしまうため、分かりやすく、グロすぎないデザインとしてドクロが使われているのでしょう。

あとは怖い、気持ち悪いなどのイメージでオバケやゾンビ、クリーチャーなどを使っているところもあります。クリーチャーは言い方を変えるとモンスターなので、デザインを間違えると可愛くなってしまうため、ちゃんと気持ち悪い絵になるよう気を付けられています。

触りたくないモチーフと耽美的なゴシックメタル

気持ち悪さという点では、現実にあるもので触りたくない、見たくもないというものがモチーフにされがちです。ちょうちょなどは、見た目は綺麗ですが手で触りたくないものの一つだと思います。しかしメタルのデザインで使われるのはさらに触りたくない蛾だったりします。

それから草木などがあっても腐っていたり、蜘蛛の巣を張っていたり、胞子が出ていたり、糸を引いていたりします。これらは皆、臭そう、触りたくない、近寄りたくないといったイメージを想起させます。なんだかそこまで行くとファンにも敬遠されそうですが、メタルのイメージはそれで良いのでしょうか。

メタル系バンドには一部ゴシック要素と融合しているジャンルがあり、ゴシックメタルがそれに当たります。耽美的な雰囲気を持つゴシックメタルのロゴは、デスメタルなどに比べて少々スタイリッシュ寄りになっています。

ファッションに気を遣っているので、汚いとか臭そうとかのイメージはまずいのでしょう。ただし怖がられる部分は構わないらしく全体的な雰囲気はやはり暗く、スタイリッシュかつ暗い感じになっています。

全体のバランスを考える具体的なデザイン手法

具体的なロゴ作成の手法を考えます。まず全体の色合いですが、背景は黒、文字は白とします。アーティスト名はアルファベットでデザインするのが妥当でしょう。フォントはできるだけ尖ったものを探します。線のなるべく細いフォントが向いていると言えます。

フォントはそのまま使うのではなく、端っこを引っ張ったりして加工して使います。全体的に危険な雰囲気を醸し出しつつ、バランスは偏っていたり色がおかしかったりしないように整えます。怖かったり危険だったりしたとしても、最終的に格好良く仕上がる必要はあるのです。

文字の太さは全体は細めで、左右に配置されている文字をやや太くするとバランスが取れるでしょう。端っこを引っ張った加工は方向を統一し、下に垂らすなら全部垂らす、どこか一点を目指して伸びているならそれを統一させます。

パーツがバラバラに配置されているのではなく、統一感のあるルールの下に、デザインを荒くさせるのがポイントです。これで白黒のデザインが完成しますが、最後に一部赤くして、血が垂れている感じにするとそれっぽさが増すかもしれません。

ロゴ作成はテキストが重要!テキストを工夫することでロゴの印象が変わる!

テクニックのポイントで考えるデザイン手法

メタル系デザインは、方向性は決まっていますがテクニックとしてはもう少しバリエーションがあります。ホラー映画のタイトルのように、文字を震えさせて、見る人に不安を与えるデザインもその一つと言えます。赤い文字に白い輪郭、背景を黒にすればそれっぽさが増すでしょう。

怪しいライトを当てればいい感じになります。文字を震えさせてしまうと最早フォントも何もないですが、そういった場合はフォントを参考にして手書きしてしまってもいいかもしれません。文字の破損もテクニックの一つで、綺麗にモデリングされたアーティスト名に銃で撃ったような跡を残します。

傷口から血が垂れていても良いかもしれません。あるいは文字をビルに見立てて、白い煙を出してみると破壊されたイメージが沸きやすくなります。文字が硬いものをモチーフにしているなら、ヒビを入れてもいいでしょう。

破損というのはメタル系で定番の手法で、ドクロを破損させてみたり、登場するクリーチャーをボロボロにしてみることによって普通ではない怖い印象を見る人に与えます。

逆転の発想で意外性を出す

ロゴにインパクトを求めるなら意外性を出す事も手段の一つです。これまで見てきた手法ではある程度要素が共通していました。黒い、怖い、汚いなどですが、ここで意外性を出すには可愛いキャラクターを用いることが挙げられます。

しかしただ単に可愛いキャラクターを出すだけではイメージがおかしくなってしまうので、そのキャラクターを中心にしてやっぱり怖いトッピングを施します。具体的にはちょっと気取ったウサギのぬいぐるみのキャラクターを作ったとして、目から血を流させたり体中に包帯を巻いたりします。

注射器やナイフなど、一目で怖いと思わせるものをアイテムとして持たせれば、可愛いのに怖いという意外性のあるキャラクターが完成します。これの応用でとりあえず可愛かったりファンシーなキャラクターを用意して、そこにいつもの調子でメタルな雰囲気を加えれば、すぐにメタルなロゴ向きのものが完成するでしょう。

意外と作るのは簡単なメタル系ロゴ

メタルとひと言で言っても種類はたくさんありますが、ロゴとなると比較的方向性は似通った物になっているようです。他と似てしまうことを気にしなければデザインは簡単で、むしろ個性を出すことの方が大変かもしれません。

何でもかんでも血塗りのデザインになってしまっては困りますが、センスの良い、それでいて見た人に怖い印象を与えるデザインが、メタルのロゴに最も向いているものと言えるでしょう。